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国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

足の速いリスクマネー、ロシアから流出、米国株は赤信号

もう6月!今年も駆け足です。特に5月後半はめまぐるしかった。大きく動いたのはインドとロシアです。

インドでは総選挙の結果、モディ政権が誕生しました。総選挙後、インド株式市場は乱高下し、5月29日までの1週間では株式からの資金流出が見られました。市場は、成長戦略を掲げる「モディノミクス」の実現性を見極めようとしています。

また、ロシアではウクライナ大統領選挙の結果、実業家のポロシェンコ氏が圧勝しました。ウクライナ軍は26日に東部ドネツクでロシア軍への攻撃を開始し、ロシア軍は徹底し始めました。27日のロシア株は、ルーブル建MICEX株価指数.MCXは2.1%安、ドル建てのRTS指数.IRTSは2.4%安と急落しました。29日までの1週間にロシアでは株式市場のみならず債券市場からの資金流出も見られ、リスクマネーの足の速さには目を見張ります。

さて、今週はG7やECB理事会での金融政策、そして、米国では雇用統計など重要な経済指標が目白押しです。

ECBでは、デフレ懸念から量的緩和など追加的緩和策が見込まれます。こうした要因からユーロ安が予想されます。

また、肝心の米国景気については、29日に米商務省が発表した第一四半期GDPが前期比年率1.0%マイナスと下方修正され、市場の予想(マイナス0.5%)よりも景気が弱いと見られます。

FRBウォッチャーでワシントンD.C.在住の山広恒夫氏(ブルームバーグ記者)は「特に今回の改定値と共に初めて公表される企業利益の落ち込みは見逃せない。」とコメントしています。http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N6CS7M6S972E01.html

さらに、企業利益の対前期比変動チャート(1955年~2014年Q1)をご覧下さい。赤の縦縞は景気後退期です。過去の例をみると、急落したあと反発していますが、その時はすでに景気後退期に入っているケースが多いようです。

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 (出所 ブルームバーグ)

山広氏のコメントをまとめると、米国経済を支える住宅投資も2期連続マイナスで、第一四半期の個人消費では医療保険制度改革法(オバマケア)施行に伴うヘルスケア項目の突出が影響しており、この伸びは継続しないし、自動車を中心に景気をけん引してきた耐久財消費も息切れ寸前。まさに信号が黄色から赤に変わろうとしています。  週明け米株式市場は売り圧力に要注意です。ユーロ安、ドル安から円高の可能性が高いと思われます。

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